森の妖精 山桜
山々が春を迎え新緑のベールに包まれる頃、そこに白く、あるいはピンクに浮かび上がる森の妖精が現れる。「山桜」である。ソメイヨシノのような派手さはなく、人に見てもらうために咲いているのでもなく、ただ春になると森一番の存在感を現す。その素朴で気品のある佇まいは、古来より日本人が愛して止まないものでもあった。
そしてここに、人の手が加わっていない「桜」本来の姿をご紹介しようと思う。日原の森の中で生まれ、そしていつの日か朽ち果てる。他の樹となんら変わりない森の時間の中で、春には神秘的とさえ思える輝きを放つ山桜。その美しさの一端を、少しでも感じて頂けたら幸いです。
(注) 桜に付けられた名称は、地元でそのように呼ばれているわけではありません。その桜のある場所、特徴を考慮して管理人が個人的に命名したものです。
日原山地の桜樹林
山桜は日当たりの良い場所を好む陽樹で、痩せた尾根にでも生育する逞しさがある。場所によっては小規模ながらも群落を作り、花の時期になると一際美しい景観を目にすることができる。日原の森の中から、そんな桜樹林を探してみました。
(写真) 梵天岩上桜樹林
(1) 倉沢桜樹林 | (2) トゲ山桜樹林 |
(3) 稲村岩尾根桜樹林 | (4) さくら尾根桜樹林 |
(5) ヤケゴヤ桜樹林 | (6) 梵天岩上桜樹林 |
(7) 人形山桜樹林 |
お気に入りの桜
山桜には気品がある。園芸種のこれでもか、と言わんばかりの花数の多さや色の多様さを見るに連れ、いつしかその想いが強くなった。 世に知られぬ質素な山桜ではあっても、管理人の心を動かしたその美しさの一端を是非ご覧ください。
(写真) 根っぱり桜
(1) 歓待の桜 | (2) 水車小屋跡の桜 |
(3) 稲村岩下のヤマザクラ | (4) 渓流釣り場のヤマザクラ |
(5) 八丁山のオオヤマザクラ | (6) 天祖山のオオヤマザクラ |
(7) さくら尾根の瞳 | (8) 野陣尾根の真珠 |
(9) 犬麦谷のオオヤマザクラ | (10) 孫惣谷のカスミザクラ |
(11) イタヤ下のヤマザクラ | (12) 根っぱり桜 |
(13) 梵天岩上の扇桜 |
巨木の山桜
山中の山桜は巨木にはなり難い。陽樹である山桜は、森が陰樹へと成熟していく過程で淘汰される運命にあるが、稀に生き残り巨木にまで成長するものがある。
幹周りが2mもあれば巨木の対象となる山桜が、数は少ないないながらも日原にも存在しています。
(写真) 天祖山の山桜
(注) 山桜と記載されているものは、正確な樹種が不明です。
(1) スミクボのカスミザクラ (倒伏) | (2) 金岱山のオオヤマザクラ |
(3) 峯小屋尾根の山桜(倒伏) | (4) ハンギョウの山桜 |
(5) ハナノキ尾根の山桜 | (6) 魚留滝上のヤマザクラ |
(7) 天祖山の山桜 | (8) 棒杭尾根のヤマザクラ |
山桜、その四季
山桜の四季を、スライドショーにまとめてみました。スライドショーにはBGMが流れますが、曲調に合わせたスライドの進行を心掛けてみました。音量は幾分低目に設定しておりますので、ボリュームを調節してご鑑賞下さい。曲目はショパンのノクターン(Nocturne)No.20 です。
(注) 最初に画像と音声が一緒に流れない場合、もう一度さくらトップページに戻って、再度Enterをクリックしてみてください。