お気に入りの桜





さくら尾根の瞳

撮影日  2005年5月7日

 さくら尾根は、地図に名前もない小さな尾根である。その名前は私が勝手に付けたもので、地元の人に「さくら尾根」と尋ねても知る人はいないだろう。このさくらの密集地は、巨樹探しをしていた時の偶然の産物であった。尾根の上部から下り降りながら、妙にさくらの木が多いのが気になった。ある年、この尾根の対岸の山から見た光景は今でも忘れられない。木々の合間から見たさくら尾根は、新緑の中に白く浮かび上がるさざ波ようであった。
 現在、この尾根だけでも60本以上のさくらが確認されている。樹種はオオヤマザクラ、ヤマザクラ、カスミザクラの3種で構成されていて、核心部には20本以上が集中する貴重な場所とえるだろう。
 この写真の右上がその核心部にあたり、手前のさくらはやや離れていて一際目立つ存在だ。撮影は森の中から。木々の梢に、ポッカリ開いた空間を探すのが大変であった。




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