イタヤ下のヤマザクラ

お気に入りの桜

　　　　　　　　　　　イタヤ下のヤマザクラ

　この桜そのものは、何の変哲もないどこにでも咲いていそうなヤマザクラだが、こうしてイタヤカエデとセットにすると、どうしてどうしてなかなかの役者ぶりだ。ましてイタヤカエデの黄色い花も咲き始めていて、見方によっては大きな生け花の作品のようでもある。

　山中の桜は他の木々とも共存しているので、単独で撮影することは難しいが、むしろこのように何かと組み合わせることで、その魅力を引き出すことも可能ではないだろうか。

　この写真の場合、主役はなんと言ってもイタヤカエデの枝振りの良い樹形で、ヤマザクラはそれに「花を添える」脇役であろう。私は林道を歩きながら、このような山桜のある風景を望遠レンズで切り取っていくのが好きである。