お気に入りの桜
稲村岩下のさくら
写真上部の岩肌が稲村岩になるが、実際にはこのさくらと稲村岩にはかなりの距離があり、「稲村岩下」とは言えない。しかし、撮影した位置からみると、ご覧のように岩肌とさくらは間近に見えて、なかなか絵になる景色となる。
さくらの後ろに3本のモミノキがあり、さらにその奥に稲村岩の岩肌。このバランスが素晴らしい。とくに3本のモミノキがなければ、一気に間の抜けた構図になってしまうだろう。
しかし、この自然の絶妙な配置も一年に一度、それも僅かな時間でしかないのだ。さくらは満開の時がまさに「華」である。そしてその満開の日は、厳密に言うと一日だけ。その日そこにいたかどうか、ということになる。
さくらの木は年中同じ場所にあり、移り行く季節を迎えている。ただ、さくらが他の木と異質なのは、春の印象があまりにも強いからだろう。その命短い花の季節は、毎年現れる美しい幻のようなものかもしれない。
撮影日
2000年4月25日
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