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熊宿のトチノキ
幹周 6.00m 樹高 28m 標高 900m
この東京都で最も大きなトチノキは、山中の奥深くで日原川の瀬音を聴きながら、静かに佇んでいる。主幹を失なった時の影響だろうが、幹に大きな穴が開き、洞になっている内部の様子が外からでも伺えるほどだ。痛々しくもあるが、この巨樹なりに傷を修復して生命を維持している姿は、かえって感動的ですらある。
「熊宿のトチノキ」は、2000年2月に私が見つけた後、なんとテレビに出演をしている。それは「小さな旅」というNHKの長寿番組で、「巨樹の森で」という日原を主体とした内容だった。その時に、巨樹画家の平岡忠夫さんの絵のモデルとして登場している。「熊宿のトチノキ」の名前は、その時同行した知人の大野さんが付けてくれものである。
この巨樹のすぐ近くに、ブナの巨木がある。そのブナには、ツキノワグマが登った爪跡が鮮やかに刻まれている。また、足元には糞も見受けられた。そのようなクマの営みを身近に感じて、このトチノキに冬眠をするのではないか、という楽しい想像の産物が「熊宿」なのである。
日原において、おもしろい分布といえるのが、日原川流域にトチノキの巨樹が集中していることだ。他の流域には、3m以上でさえも数少ないというに、日当たりのよい日原川左岸は、確認されている5m以上のトチノキの全てがある。これはただの偶然ではなく、トチノキの生きる環境に適していると見るべきだろう。。

撮影日
上 2003年6月03日
右 2000年6月21日
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