東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
檜尾根下のトチノキ 
幹周  4.50m      樹高  18m       標高  825m 
 
 
 名栗沢のトチノキや、鍛冶小屋窪のトチノキに逢いに日原林道を歩いていると、名栗沢の少し手前で石尾根の山々が見渡せる場所がある。ここは四季の景観を満喫できる場所であり、写真撮影にも絶好のポイントであろう。また奥多摩の山を自在に走破し、たくさんの情報を発信しておられるHgさんの定点観測地点の一つでもある。そんな景観の前景として、このトチノキは充分にその役を担っている。

 前述の2本のトチノキは、日原を代表する巨樹として以前からよく知られていたが、この檜尾根下のトチノキを知る人は少なかった。ただ、林道からも見やすい位置にあるために、それを初めて見た人は「何だ、ここにも巨樹があるじゃないか・・」と思ってしまうようである。根元まで行かれた方はご存知だと思うが、幹には大きな穴が開き、中はウロになっている。しかし、そのことと樹勢は全くの無縁で、枝振りも素晴らしく、花の時期にはそれこそ無数の花で樹冠は覆い尽くされる。

 下の写真をご覧いただきたい。これは林道からの撮影だが、このトチノキを左にすると、右にも形の良い大きなモミが立っている。1999年当時、僅かに幹周りが3mには届かなかったが、おそらく現在は成長して3m以上の巨木の仲間入りを果たしていることだろう。この2本の巨木が対となる前景があり、日陰名栗山や高丸山などの石尾根の山々を仰ぎ見る景色を、私も随分と写真に収めてきたものである。

 日原探検隊として行動を共にする友人のsizukuさんは、二本の巨木に独自の名前を付けておられる。トチノキの方は、花期にあまりに見事なその花の付きに魅了されて「花トチノキ」、モミは前日の雪を身に纏い、サラサラに降り積もったその雪が、微かな谷風に舞い上がり一面に舞う様を「雪降りのモミ」と賛辞を送られた。林道にポッカリ開いた人工的な空間ではあるが、日原の四季を垣間見ることのできる大きな窓と呼べるかもしれない。

                               2010年3月13日  一葉

 
 撮影日

 上  1999年 11月02日

 下  2010年  2月28日


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