東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
スミクボの合体樹
 
幹周  6.69m      樹高  25m       標高  900m 
 (ブナ 3.25m   ケヤキ 2.04m1.40m)
 
 
 巨樹の中には単一種だけではなく、二つの樹種がくっついて一本と定義されるものがある。そのようなものを合体木、あるいは合体樹と呼び、日原においてその組み合わせは数あれど、代表的な存在がこの「スミクボの合体樹」になる。

 下の写真では手前の木がブナ、左奥に伸びた枝がケヤキになる。この巨樹は岩の上にあるといっても過言ではない。どうしてここまで大きくなれたのか不思議なくらいだが、さらに驚くべきは岩の間に伸ばした根が一度地表に顔を出し、なんとまた岩の間に潜り込むという芸当をやってのけている。それも、ブナとケヤキがそれぞれにである。それはまるで大きな機械に付属するパイプのようである。「見上げた根性」とは、まさにこの事をいうのではないだろうか。

 このブナ、ケヤキそれぞれが苦労して作り上げた造形には、それこそ「参りました」と頭が下がる想いがする。樹種が違うので完全な一体化にはならないが、この大きさになるまでにはお互いが支えあってこそ現在のこの形があるのだろう。

 この「スミクボの合体樹」のすぐ下には「スミクボのケヤキ」があり、さらに30mほど上には「スミクボのカツラ」を見ることができる。人工林が多く、けして自然豊かとはいえないこのスミクボと呼ばれる谷にしては、3本の巨樹に恵まれていることが日原らしいともいえる。巨樹のあるところ、必ずしも手付かずの森というわけではない。
 
 撮影日

 上  2003年  5月06日

 下  2003年  5月06日


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