東京最後の聖域「にっぱら」 |
巨樹・巨木 |
シオジクボのカツラ |
幹周 6.50m 樹高 45m 標高 900m |
日原森林館に訪れるお客さんの中で、「この近くで巨樹は見られませんか?」というお尋ねがよくあるそうだが、集落の中にある巨樹としては「水垂れのモミ」、そして「水垂れのトチ」になるだろうか。この日原街道を挟んだ2本の巨樹は、日原の森の豊かさを垣間見る門柱のようでもある。なぜなら、ここを通り過ぎて行く先には「金岱山のミズナラ」を始めとして、数多くの巨樹・巨木と巡り逢える森が拡がっているからだ。 しかし、集落より奥ばかりに巨樹・巨木があるわけではなく、実はその手前にも知られざる巨樹・巨木のエリアが存在する。数年前に廃村となってしまった倉沢集落にあって、今や「倉沢のヒノキ」はその倉沢の代名詞と言えるが、さらに倉沢林道を遡って森へ分け入ると、そこには驚くほどの数の巨樹・巨木が残されている。そして、その代表的な一本がこのシオジクボのカツラだろう。 このカツラの存在を教えてくれたのは、当時森林館の職員の北山郁人さんで、北山さんは今は亡き地元住民の大館俊二さんに連れて来てもらったそうである。この私の最初の訪問は、前年に両足を骨折しまだ山に復帰して間もないこともあり、このカツラの側に辿りつくのが恐かったことを憶えている。巡視道からも良く見える位置にはあるが、季節は冬で雪のある急斜面を登り上げるには、足の不安をまだ拭い去れずにいたのかもしれない。 幹周りが6mを超えるカツラとしては、大枝の欠損などもなく、なんと言っても主幹が健在なのが頼もしい。それも、その主幹だけでも4mを超える太さである。これからまだまだ成長しそうな勢いが、体全体から溢れているような気がする。しかし、シオジクボの日照時間は非情に短い。このカツラの樹高が他の木に比べて異様に高い様子は、対岸の尾根からもはっきり確認できるが、限られた日光を求めて思い切り伸ばした梢を急斜面で支えるためには、やはりあの太い主幹が必要であったのだろう。 2010年3月08日 一葉 |
撮影日 上 2012年 4月30日 下 2010年 2月20日 日原の巨樹・巨木 樹種別巨樹・巨木 カツラの巨樹 Home |
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