今回も先週と同じメンバーで、さらに賀老谷の秘密?を探ろうということになり、いつ雨になるのか分からないような空の下で緑濃い賀老谷の扉を開けることにした。 谷筋を歩くとはいえ、流れよりもかなり高い位置の巡視道では、ここ数日の雨のせいで湿度も高く無風状態・・・汗が着衣を濡らし体に感じる暑さはウンザリするほど。やっと流れの近くに巡視道が降りてくると、さすがにヒンヤリとした涼しい風が吹き抜けて、しばし立ち止まりリフレッシュする。先週はまだ蕾だったイワタバコも、今日は紫のかわいい花を開いてお出迎え。(写真左)やがて空から細かい雨が降り出したが、木々の下を歩く我々には殆ど影響はなかった。賀老小屋跡から賀老小谷の方の巡視道へ進み、さらに道を外れて向かうのは、先週我々が「賀老小滝」と勝ってに名付けた優しげな滝である。そして、そこにある「賀老小滝のカツラ」を我が愛用のデジ一で初めて撮影する。折角だから、滝を入れて撮ってみた。(写真中)sizukuさんは持参のグレープフルーツを、滝の段差のある場所において冷やし、頃合を見計らって取り出してご馳走してくれた。これがまた絶品!山だから美味しいというよりも、本当にそのものが旬の味だった。 再び巡視道に戻り、しばらく谷筋を登ったあと巡視道は右岸の山腹へと続き、賀老大滝の方向に歩みを進める。その途中、先週は時間がなくて探れなかった地図にない登り道に踏み込むことにした。が、しばらく進むとその道はあっけなく消えた。どうやら植林作業のために作られた道だったらしい。無念・・ 思い直して賀老大滝に向かう途中、久しぶりにニホンジカに会った。かなり大柄のメスで、我々の行く方角へ走り去って行ったが、大滝に到着するまでに再び会うことはなかった。この頃には天候は回復し、朝の天気がうそのように青空が顔を覗かせた。大滝下から上を見上げると、ポッカリ開いた木々の梢の空間からは光が、滝からは細かなミストシャワーが降り注ぐ。暑さも吹っ飛ぶ森のオアシスだった。ここでちょっと遅い昼ごはん。文句無しのロケーション。 そして今回も、滝の手前の「賀老大滝のカツラ」を撮影していると、あっという間に時間は過ぎ去り、帰る予定時刻をかなり上回りそうだった。帰りはやや急ぎ足で谷筋の巡視道を下る。急ぎながらも、清流と岩の見事なコラボに足が止まる。谷へ降りて思わずパチリ。(写真右)ますます帰りが遅くなる。なんだかんだで小川谷林道に降りてきたには、すでに5時を回っていた。 しかし、ここ数日の雨模様で谷や滝の水量も増し、なかなか見応えのある賀老谷を堪能することができた。そして入山する時には思いもよらなかった夏空が広がり、木洩れ日を落とした巡視道や清流を、恐らく我々三人だけで独占した贅沢極まりない山旅だったに違いない。
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