日原集落から賀老谷に続く巡視道を歩いてみた。よく登る燕岩や金岱山を対岸から眺めながら進むのもなかなか面白い。道はところどころガレていて、落ちると助かりそうもないが、足場を踏み固めると問題はない。木の橋も作り直されてまだ新しいようである。(写真左)この道は天然の針葉樹が多く、中でもツガの群生地としては日原一ではないかと思っている。そのツガの代表的存在が一石山大権現のツガ(3.78m)であろう。(写真中)端正な枝ぶりとその巨体を支える根の発達には、思わず言葉を失い唸ってしまうしかない。道は尾根や谷を巻きながら、賀老谷へと続いて行くが、まだ木々に葉の出ないこの時期は見通しが良く、対岸のタワ尾根の山々や小川谷の谷筋が垣間見れる。(写真右)賀老小屋跡から谷を下り小川谷林道へ。谷沿いにはハシリドコロが咲き乱れている。今日は気温が低めではあったが、春は確実に始まっているようだ。
7年ほど倉沢には入っていなかったが、この日は何の気紛れか行ってみようという気になった。といって、かつて何度も訪れたわけでもなく、倉沢はまだまだ知らないところだらけなのだが・・・倉沢林道に入って間もなく、道端に小さな白い花の群落を見る。良く見るとハナネコノメではないか。ああ〜倉沢にも咲くのか、と思いながらさらに進み、水が滴り落ちる苔のそばにもまたまたハナネコノメ。今度の花は、ピンクがかって白よりも可憐な感じがする。(写真左)さらに林道を登ると、倉沢鍾乳洞手前の斜面に倉沢大権現のアサダがあるはずだと思いながら見ていると、あるにはあったのだが様子がおかしい・・・。よく見ると幹が折れてしまっていた。せめて生きていてくれ!と思い斜面を登って近づいてみると、残された細い枝には冬芽の膨らみもなく、この巨樹が命を終えたことを認めざろう得なかった。(写真中)魚留橋の手前から巡視道に入り、シオジクボのカツラ、サワグルミを見ると、サワグルミの大枝が欠損して、幹回りが随分と細くなってしまっていた。シオジクボ小屋跡の水辺は、やはり素晴らしい。昼食をとるには絶好の場所だろう。水質も文句なし。(写真右)ここでもハナネコノメ多く見られた。カツラやシオジの巨木が沢を引き立て、それを眺めながら棒杭尾根へと向かう巡視道は快適そのものである。棒杭尾根にはブナとツガの巨樹があるが、この両雄は以前と変わることなく健在であった。そこから倉沢林道最終地点まで降りて、林道を下り帰路に着く。
sizukuさんとhideさんと一緒に行く巨樹巡りも、今回で3回目となる。今日の行程は標高差も少なく、危険な場所もほとんど無いにも関わらず、数多くの巨樹・巨木に出合あうことができるという贅沢?なコースである。林道から小川谷に向かって下降する手前に、小川谷上のモミ(4.32m)がある。日原集落の中に、水垂れのモミ(5.02m)という巨樹があるが、これはあまりの急斜面にあるために、一般の人は近づくことは出来ない。しかし、この小川谷上のモミは、なだらかな斜面にあり、誰でも容易に近づくことができる。(写真左)小川谷を渡り、対岸にある錐木小屋のシオジを横目で見ながら少しばかり登り上げる。本日の目的の一つ、小川谷上のミズナラは健在!(写真中)「天使の庭」と一部の人の間で噂されるこの場所で、昼食にする。この後、鳥居谷のカツラ(7.30m)に案内すべく巡視道を進むが、カツラの一歩手前で斜面の崩落とともに道も消失・・・残念ながら踵を返して小川谷を渡り、犬麦谷へと向かう。犬麦谷のサワグルミ(4.67m)は、青空に思い切り手を拡げたように枝を伸ばし、端正な樹形がことのほか美しく見えた。この後にも巨樹が目白押しなのだが、時間の都合で今日はここまで。まだ冬の名残が消えない山の中でも、sizukuさんは落ち葉の中から早春の花「マルバコンロンソウ」を見つけてくれた。(写真右)
今日は、日原に到着するなりに雪となる。様子を見ようと森林館でのんびりしたいたら、いつの間にか雪は止んでしまったが、すっかり出足が鈍ってしまった。とりあえず小川谷林道に入り、行ける所まで・・と曖昧な考えでのんびり足を進める。林道の途中で、恐らく倒伏したであろうツガの巨木を3本の丸太にして並べてあるところに出くわす。「欲しい・・」と思わず口に出るほどの中身と年輪の詰まった丸太である。(写真左)そのツガに後ろ髪を引かれつつ、さらに高度を上げて行くと、さすがに1000mを超える山々は、真っ白に雪化粧をしている。林道沿いの木々の枝も、うっすらと雪色に姿を変えている。(写真中)何の木なのか分からなかったが、枝に実をたくさん残したままの木にも雪は降り積もっていた。湿度を含んだ雪なので、ちょっと重たげであった。(写真右)
今日も、sikukuさんとhideさんとトリオでの行動である。小川谷林道からカロー谷に入ると、日陰の岩場には飛沫氷が残っている。谷沿いに付いている巡視道を遡ると中流域には滝が姿を見せる。(写真左)カロー小屋跡からハナノキ尾根のある右岸側に渡り、そのまま巡視道を進むと人工林から突然明るい自然林の中へと導かれる。炭焼き窯跡近くにあるミズナラの巨木の下で昼食。陽射しが暖かく、座っていても寒くはない。地面には、宿り木の実や葉が落ちていた。ハナノキ尾根にある巨木の森を一周して、この森の最大の巨樹であるハナノキ尾根のミズナラへと案内する。(写真中)道のない斜面に、sizukuさんはちょっと苦戦・・しかし無事に「神の木」に辿りつき、しばしの休憩となった。そのままハナノキ尾根を下山して、名木ヤシャブシと遭遇!(写真右)その奇異な姿にお二人ともしばらく唖然・・・沢山の巨木を見て歩いて、本日最後の締めに相応しいインパクトだった・・・かな?
かねてより、名栗沢のネジリモミの写真を取り直してホームページにUPしようと思っていたのだが、丁度sizukuさんとhideさんが名栗沢に興味を持たれていることでもあったので、一緒に名栗沢を遡行しながら巨木巡りをすることにした。名栗沢の山葵田跡よりもやや上流には、トチノキ、シオジ、サワグルミ、ケヤキなどの巨木が乱立する見事な森がある。(写真左)なかでも「名栗沢のシオジ」は、谷の一番深いところに育ったこともあり、かなりの長身を誇る巨木である。その根元にリュックが置いて高所から見下ろすと、このシオジのスケールに目を見張てしまった。(写真中)この後、一端巡視道に登り上げ、今日の目的のネジリモミへ向かう。久しく訪れていなかったので、弱冠心配していたのだが、幹周りは5mの大台を超え、さらに逞しくなった姿で出迎えてくれた。(写真右)それから巡視道で日原林道まで下り、天狗のカツラや天グルミに案内する。傾いた午後の光の中で、天狗のカツラに出会った時のお二人の驚きが印象的だった。
今日は午前中、sizukuさんとhideさんが森林館に来てくださり、高橋さんを交えていろいろとお話をしていたこともあって、本日の撮影は午後からとなった。時間的に奥山に入るには無理があるので、雪道の小川谷林道を歩いてみることにした。(写真左)賀老橋から小川谷を眺めると、まさに雪渓。昨日の雪は、日陰の谷を白く冷たく覆ってしまった。渓流の両端には氷が張り付き、見るからに寒々しい。(写真中)さらに上流の方に足を向けると、サワグルミの巨木が目に入る。この木は枝振りが良く、林道のすぐ下に位置するために写真を撮るにはありがたい。大きく蛇行する小川谷を背景に見ると、なかなかの巨木ぶりである。(写真右)
今年最初の入山は、前日の雪の様子から金岱山に行こうと決めていた。しかし、思いのほか陽射しは強く、籠岩下から登り上げてスミクボのケヤキに到達する頃には、日当たりの良い左岸側の雪は随分融けてしまっていた。(写真左)しかしそこから右岸側に移ると、日陰のために殆ど雪は融けておらず、足首まで積もった中をさらに上を目指す。途中、木々の隙間からヨコスズ尾根の雪山が目を楽しませてくれる。(写真中)タワ尾根に登り上げ、そこから標高を上げるほどに積雪も増えてくる。金岱山のミズナラよりやや下のミズナラ林には、昨日の風雪の名残があった。(写真右)残念ながら、この日はコンデジだけの入山で、しかもこのあと暫くしてバッテリーが力尽き、金岱山のミズナラを撮れないという体たらくブリ・・・。折角来たので、さらに誰も登っていないバージンスノウの斜面に、確かな足跡だけは残すことにした。
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