春の訪れを感じてみたくて、今回の探検隊は標高の低い倉沢に出掛けることにした。ところが倉沢林道は、前回の大雪で折れたフサザクラの木が林道に倒れこみ、車での走行は不可能であった。まあ、それならそれで林道をのんびり歩きながら、春を探しに林道を進むことにした。
さてその倉沢林道は、歩き始めてすぐにハナネコノメソウが林道の道脇に、なんとも愛らしい姿で迎えてくれる。探検隊はもうすでに本気モードの撮影となり、この先の行程が怪しくなってきた。しかし、この見逃してしまいそうな白い小さな花は、春の訪れた喜びを存分に感じさせてくれる。(写真左)
そこから林道を登り上げて行っても、ハナネコの姿は多く見られた。気温もどんどん上昇して、初夏をも思わせる陽気に汗ばむほどであった。日当たりの良い斜面では、タチツボスミレが数輪だけ開花している。今年初めて山で見たスミレは、上品な薄紫の花びらを持つベッピンさんであった。(写真中)
この他にもツルネコノメソウ、ヨゴレネコノメソウ、コチャルメラソウなどの草花や、フサザクラ、キブシなどの樹花が見られた。林道や谷底の一部にはまだ雪も残るが、もはや春への流れは確実なものとして花も開き始めたのだろう。これから山に訪れる度に、いろいろな花が咲き競い、探検隊の目を楽しませてくれるに違いない。
結局探検隊は、魚留橋までしか進むことはできなかつたが、今日の予定に拘る必要は全くなく、その場で目にしたものに心が動いて、何度も立ち止まってしまったからだろう。倉沢の渓流は変化にとみ、林道から見ていても飽きない。滝の数も多く、そのうちの一つ滝のそばでお昼にしたが、この時点で午後1時半を過ぎていた。
帰りの林道では、行く時に見逃していたヒナスミレにも出逢えた。それは時間的にも日陰になってしまっていたが、淡いピンクの優しい色をしていて、枯葉の間から目覚めた春の天使のような趣があった。(写真右) 他にもエイザンスミレは、蕾が明日にも開きそうなほど膨らんでいて、いよいよ春本番も間近となっている。 |