東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
オロセの石割りカツラ 
幹周  5.00m      樹高  15m       標高  1050m 
 
 
  石割OOといえば、岩手県盛岡市にある花崗岩の割れ目から育った樹齢360年といわれる石割桜が有名である。樹種はエドヒガンで、直径が1.35mといわれているので、単純に計算すると幹周りは4.2mほどになるのだろうか。木がその成長の過程で石を割るという驚きの現象は、この石割桜から得た情報であったと思う。

 この日原にも、恐らく岩を割ったと思われるカツラの巨樹がある。このオロセの石割りカツラは、岩の上に落ちた一粒の種が起こした奇跡の物語である。岩の上に落ちた種が巨樹になることは、日原のカツラでは「日原川とガニ沢出会いのカツラ」「孫惣谷のカツラ1」のように例はあるが、この石割りカツラはちょっと置かれた環境が違うのだ。それは、回りが全て岩に囲まれているのである。

 そのためにこのカツラは、あらゆる手段を尽くして生存を計らねばならなかったはずである。左の写真をご覧頂きたい。岩の隙間に、幹が入り込んでしまっている。よく見ると、左の岩と右の岩の切り口はぴったりと合い、他の部分には苔などの着生植物が多いのに比べ、切り口の部分には白い岩の地肌がはっきりと見て取れるのだ。つまりこのカツラが、成長の過程で岩を割ったとしか思えないのである。

 石割りカツラは、大きさだけで見るなら平凡なカツラの巨樹であろう。しかし、この環境で幹周5mを超えるには、どれほどの歳月と苦難を乗り越えてきたのだろうか。下の写真のように、岩の上から流れ落とした太い根は、半分は崩れ落ちていても、残された部分だけはしっかりと岩の下の土壌に潜り込ませている。植物のしたたかさも、ここまで来ると脱帽である。その生きる執念には、しばし言葉を失なってしまった。
 
 撮影日

 上  2000年  7月11日

 下  2000年  5月30日


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