東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
名栗沢のシオジ 
 
幹周  4.63m (’15.7.25計測)      樹高  38m       標高  950m 
 
 
 名栗沢は思い出深い場所である。それは、日原探検隊として行動を共にするsizukuさん、hideさんと初めて訪れた場所であり、云わばその探検隊の原点ともなったゆかりの地ということになる。それは2009年2月、冬とはいえ春を思わせるような日のことだった。

 この名栗沢のシオジは、名栗沢を遡行してしばらく登った右岸側の少し開けた斜面に根付いている。この一帯は、他にも4mクラスのトチノキ、ケヤキ、カツラなどが適度な間隔を保ち豊かな森を形成している。中でもこのシオジの存在感は大きく、ツルアジサイと思われる太いツルを絡ませたその姿は貫禄すら感じさせる。

 このシオジは、2000年に行われた全国巨樹・巨木林調査の時に調査された木で、その際の幹周りは4.41mであった。それが今回の調査では4.63mと15年で22cmも太くなったことになる。これはシオジという気が比較的に年輪が広く、成長が早いことを意味する。もちろんこれは木としての比較であり、ここまで大きくなるには人の寿命の数倍は生き抜いているはずである。

 全国的に見てシオジの巨樹というものは珍しく、5mを超えるシオジを含めて4mクラスが何本も見つかっている日原は、そういう意味でも「シオジ王国」と呼べるのかもしれない。溪畔林の代表的な樹種であるシオジがここまで育つ環境は、日原の森がいかに豊な渓流を中心とした「水の森」であることを物語っている。

            2015年8月01日 一葉
 
 撮影日

 上  2015年  7月25日

 下  2015年  7月25日


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