東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
犬麦谷のサワグルミ 
 
幹周  4.67m      樹高  27m       標高  900m 
 
 
 小川谷と犬麦谷の出会い周辺は、私のような者にとって何種類もの巨樹・巨木が見られるアリガタイ場所で、この「犬麦谷のサワグルミ」もその巨樹群の中の一本である。サワグルミ特有の端正な樹形をしており、他の木から離れて沢沿いに単独で立つ姿は、気高さが漂い凛として美しい。

 このサワグルミのある犬麦谷は、山中にしては珍しく小さな川原になっている。もともとこんな川原はなかったのだが、このサワグルミのすぐ下流に堰堤を設けてしまったために、上流から流されてきた石が堆積してできた人工川原といえるかもしれない。しかしサワグルミにとって、この川原が曲者なのである。

 山で大雨が続いたりすると、当然ながら沢の水かさは増すことになる。その水流がこの川原に押し寄せ、川原に新たな流れを作ってしまったりすることがある。時にはサワグルミの根元をえぐるように流れる場合もあり、写真で見ると木の右側の根がかなりむき出しになってしまったこともある。しかし、またその後の増水で根が埋め戻されるという不思議な現象も起きたのだが・・・。

 サワグルミはその名が示す通り、山中の沢沿いに多く見られる。シオジやカツラ、ハンノキなどとともに渓畔林を形成する代表的な樹種でもあり、山登りをしていも比較的よく目にすることができる。ただ、単木で5m以上の巨樹になるものは稀で、全国的にもかなり希少な存在といえるだろう。「犬麦谷のサワグルミ」がその5mの大台を超えるには、あとどれくらいの歳月が必要なのだろうか。

 
 撮影日

 上  2000年  5月23日

 下  2000年  1月25日


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