小川谷上のモミ

幹周  4.32m      樹高  31m       標高  900m
                  


 この小川谷上のモミのある周辺は、日原山地において巨樹密度の濃い場所の一つであるが、特筆すべきはその中には5m以上の巨樹が7本も含まれることである。シオジ、ミズナラ、カツラ、イヌブナ、ケヤキと樹種も多彩で、一日でこの全部を見て回ったとしても、比較的楽な行程になるだろう。このモミは5mには届かないが、この一帯では最大の針葉樹ということになる。

 左写真では、このモミの奥にも3,5mを超えるモミの姿が見えるが、私の友人はこの2本を結ぶ線をモミの結界と言ったものである。この結界周辺は、五月過ぎ頃にはギンリョウソウの群落が見られる。ギンリョウソウとは、キノコのように見えて別名ユウレイタケとも呼ばれるが、色素を持たないながらもこれで多年草になる。日原ではよく見かける植物だが、私が今までにこれほどの群落を見たのはこの場所以外にはない。

 日当たりの良い小川谷左岸の斜面にあり、小川谷を挟んだ対岸の山から見ると、この2本のモミの木は一際高い梢を持つことがわかる。2本の間は30m程であろうか。冬には双方互いの姿を見通せるが、落葉広葉樹が生い茂る季節になると、林床からでは視界が閉ざされる。しかし、長い年月一緒に育った2本のモミは、他の木々より高い梢同士で、年中コミニュケーションを取り合っているのかもしれない。











        撮影日

          上  2009年 3月15日

          右  2009年 3月15日



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