東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
一石山神社上のモミ
 
幹周  3.92m      樹高  35m       標高  800m 
 
 
 2011年3月11日、1000年に一度と言われる規模の大地震に東日本は襲われた。それは震源から遠く離れた東京でも、震度5強という強く長い揺れが都民を恐怖に陥れたほどである。この大きな揺れの影響は、日原も無縁ではなかった。集落や鍾乳洞にこそ被害はなかったが、鍾乳洞より先の小川谷林道には落石が散乱し、車どころか歩行者までもが通行止めになってしまったのである。そして今、10月15日現在でもその措置は解除されていない。

 この通行止めは、あの金岱山のミズナラへ登り口となる籠岩下にも行けないことを意味する。当然のように震災以降、日原の巨樹の象徴とも言えるミズナラへの訪問者は激減した。しかし、一般的にはあまり知られてはいないが、かつての登山口が一石山神社の裏にある。ただ、籠岩下の登山口も登り始めは悪路であるが、神社裏からのルートはその比ではなく、登山初心者クラスにはまずお薦めできない。しかし、今やミズナラに会いに行くにはこのルートしかないのである。

 このタワ尾根へと続くかつてのルートは、悪路であるがモミの巨木が多く見られるエリアでもある。その中でも写真のモミは、恐らく一番の大きさであろう。急斜面に成長した巨木らしく、根の張り方は力強く逞しい。樹形も典型的なモミの特徴である直幹型で、その無駄を失くしたフォルムが心地良い。一石山神社の境内にはスギの巨木もあるが、そのどれよりも大きな木が神社の上にあるとすれば、このモミはあながち神木と言えなくもないだろう。

 もともとこのモミの脇を抜けるルートこそ、燕岩や金岱山のミズナラへと繋がるタワ尾根に登り上げる本道であったのだが、子供の滑落事故が起きたりしたこともあり、自治体が籠岩下の登山口を整備した経緯があった。時は流れ、震災以前は古道と化しておせじにも整備された道とは言い難いルートであったが、今改めて利用してみると、モミの巨木達が聳える森であったことを再認識させられる。通る人も少なく急登ではあるが、森の趣としてはなかなか味わい深い。

                       2011年10月15日  一葉

 
 撮影日

 上  2011年  9月11日

 下  2012年  9月11日


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