巨樹・巨木 
 
ナラテイロのミズナラ 3 
 幹周  5,00m        樹高  25m        標高  1250m
 
  ハナノキ尾根のミズナラ」のように、幹の同じ場所から同じ大きさの枝が三又に別れる木のことを、一般的には「神の木」と呼ばれている。そして、このナラテイロにもその「神の木」が存在する。ナラテイロの両側の森が、人工林であるにも関わらずここが伐採されなかったのは、この木のお陰・・・と言いたいところだが、果たしてどうだったのだろう。

 ところで現在、日本のミズナラ林は窮地に立たされている。というと、地球温暖化と結び付けたくなるものだが、その原因はカシノナガキクイムシと呼ばれる昆虫の影響にある。1980年代から報告された被害は、すでに本州日本海側、関西・中部地方、九州・四国の南部地域と広範囲に及んでいる。その勢いは留まることを知らず、近い将来全国的な被害が起きることが懸念されるほどだ。

 2008年11月4日、私は数年ぶりにこのナラテイロに入った。前回の訪問では、カシノナガキクイムシの影響は微塵も感じられなかったが、実は今回は大丈夫なのだろうか?との思いを捨て切れなかった。日原を代表するこのミズナラ林に影響があるとなると、日原全域に被害が及んでいると考えられる。結果は、見て回った全てのミズナラに影響はなし。一緒に行った知人と二人して安堵したものである。ただ、これは今のところ、という危険を孕んでいるのだが・・・・。

 ただ、この「ナラテイロのミズナラ3」が以前と一緒のままか、というとけしてそうではない。下の写真には多くのキノコが目立っている。前回には見られなかった木の衰えであろう。ミズナラで幹周りが5mを超えるものは、樹勢の優劣はあれど老樹であることには間違いはない。次に私がこの「ナラテイロの神の木」と出会う時には、お互い老けたなと慰め合っているのかもしれない。
 
 
 撮影日

 上  2008年 11月04日

 下  2008年 11月04日


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