東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
長沢谷のカツラ 
幹周  6.10m      樹高  35m       標高  1100m 
 
 
 スペインの天才建築家アントニオ・ガウディの建築物の中で、世界遺産にも指定されている未完の大作サグラダ・ファミリア。私はその教会のモチーフは、「カツラ」ではないかと思っている。スペインという国に、カツラの木が存在するのかは調べたことはないが、あの聳え立つ幾本もの尖塔の集合体は、葉を落とした冬枯れのカツラの巨樹にそっくりではないだろうか。

 私のその、「サグラダ・ファミリア ≒ カツラ」説?の有力なサンプルが、実はこのカツラの巨樹である。左の写真を撮影した時に、木の下から見上げたその風景は、テレビや雑誌で目にしたサグラダ・ファミリアがすぐさま脳裏に浮かび、さらに根元から這い上がるように伸びる孫生(ひこばえ)が、まるで教会に施された彫刻のように見えたものである。

 このカツラの巨樹は、日原から雲取山へと向かう登山道の脇にある。日原の巨樹の中でも以前から良く知られており、幾たびも雑誌のページに登場している。目立つ痛みなどは見られず、長沢谷の谷底からスーッと伸びた樹形は周りの木々よりも抜きん出て、対岸の林道からもはっきり確認できる。また谷底にありながら日当たりが良いために、秋の黄葉はまさに絶品と言えるだろう。

 かつて林道が無かった当時、集落の人は長沢谷の山葵田で作業をするにも泊りがけだったそうである。整備された今の林道なら、歩いたとしても集落から2時間半の道のりであろうか。このカツラも近年の訪れる人の多さに、昔と比べていささか驚いているのかもしれない。

 
 撮影日

 上  2003年  3月29日

 下  1999年 11月02日


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