東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
金岱山のオノオレカンバ
 
幹周  5.70m      樹高  25m       標高  1150m 
( 主幹 3.69m  株立数 2 ) 
 
 金岱山巨樹コースをガイドする際に、そのメインはなんといっても「金岱山のミズナラ」になるが、見学する人の体力や経験に合わせてさらに紹介するオプションがいくつかある。そのうちの一つにこの「金岱山のオノオレカンバ」があり、ミズナラよりもやや標高の高い場所に位置する。株立ちではあるが、この樹種としては破格の大きさ誇り古木ならではの風格も漂う。

 オノオレカンバは、漢字で書くと「斧折樺」になる。その名が示すとおり材質はいたって硬く、建築材や器具材として用いられるようだが、本当に斧が通用しないのか一度試してみたいものだ。別名「ミネバリ」と呼ばれるように、日原でも尾根でよく見かける樹種で、この巨樹もタワ尾根の峯にしっかりと根を張っている。

 左の写真で見ると、実質3本の株立ちとして成長しているが、右と真ん中の幹が地上1,3mの位置では密着しているために、一本として計測することになる。樹皮がケヤキによく似ていて、私は最初見つけた時にケヤキだと信じて疑わなかった。そのために2000年の巨樹・巨木林調査では、「金岱山のケヤキ」として登録してしまい、未だに環境省のデータベースにはそのままの名前で残ってしまっている。

 近年、金岱山のミズナラを見物に来る人は数多い。それは確かに、見た目にも文句のつけようのない巨樹である。しかしそれだけが目的であるとすれば、屋久島で縄文スギだけを見にいくようなものだろう。金岱山には他にもユニークな巨樹があり、私はむしろそんな木々を紹介する時の方がかえって力が入いるようだ。
 
 撮影日

 上  2010年  1月16日

 下  2000年 10月31日


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