東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
天狗下のミツデカエデ 
 
幹周  3.68m(株立数 2)      樹高  15m       標高  850m 
 
 
 ミツデカエデは、植物の分類上カエデ科カエデ属に入る。葉は3出複葉(一箇所から三枚の葉が派生)で対生するが、同じカエデの仲間にはメグスリノキがある。メグスリノキは、その名の通り目薬や肝臓の薬としての効能や、美しく紅葉する樹木としてそこそこの知名度がある。しかし、ミツデカエデは材としてもその他の用途としても使い道が少なく、一般的にはほとんど知られていない。

 ミツデカエデもカエデ科カエデ属でありながら、メグスリノキ同様にカエデのイメージとは程遠い葉の形をしている。しかし、さすがに秋の色付きは美しく、紅や黄色に染まる姿はカエデ属であることを納得させられる。写真の撮影日は11月4日であったが、この時は少し紅葉には早かったようだ。

 環境省が定めた基準として、メグスリノキやミツデカエデは幹周りが2mを超えると巨木と認定される。他の樹木が3mであることを考慮すると、大径木にはなり難い樹種であることがわかる。しかし、この木は株立ちではあるが主幹は2mを超えており、この幹単独でも巨木の基準を満たす大物なのだ。さらに、日原で僅か一本しか見つかっていない貴重なミツデカエデの巨木となる。

 この木の名前に天狗の名が付いているが、それは「天狗のカツラ」の少し下にあることに由来する。左の写真の右奥にその姿が垣間見えるが、その距離は20mほどであろうか。カツラもミツデカエデも雌雄異株で、天狗のカツラは雄であることが確認されている。まだこのミツデカエデは未確認だが、果序が10~20cmほど下垂する雌の特徴を見たことが無いので、カツラと同様に雄である可能性は高いだろう。

         2013年03月10日 一葉
 
 撮影日

 上  2008年 11月04日

 下  2011年 11月04日


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