東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
孫惣ブナ 1 
 
幹周  4.08m      樹高  22m       標高  1020m 
2017年2月19日再計測  幹周4.16m
 
 白神山地が世界遺産に登録されて以来、一般の人にもブナの名前は広く知れ渡るるようになった。それ以来、屋久島同様に観光客は大勢訪れ、整備されたブナ林の散策は観光の目玉にもなっている。しかし、ブナは白神に行かなければ見られないわけではなく、北は北海道から南は九州まで、幅広く分布している落葉広葉樹である。

 ここ日原にも当然そのブナがあり、巨木の目安となる幹周り3m以上のものは、確認されているだけでも80本を上回るほどだ。この「孫惣ブナ1」は、その頂点に位置するようなブナであり、その樹形は一見に値する。岩場に成長した巨木特有の根張りは、谷川に力強く放射状に伸び、4mを超える幹は踊るように天を目指す。個人的にも、ブナの中ではお気に入りの一本である。

 今までに幾度かこのブナを見るために一般の人を案内しているが、集落からのアクセスが悪く、普段は滅多に人が立ち入る場所ではない。案内された人も、地元の人で無い限りおそらく単独で再訪することは難しいだろう。ただ、それはこのブナにとっては、幸いなことなのかもしれない。

 ところで「孫祖ブナ」とは、孫惣谷を見下ろす天祖山の山腹にあり、4m以上の幹周りを誇るブナを総じて私が勝手に付けた名前である。不思議なことにその4本は、ある一角に身を寄せるように集まり、どれもが痛みも少なく逞しい巨躯を競い合っているようにも見える。さらにここでは、3.5mを超える次世代の孫惣ブナが何本もあり、まさに「ブナの聖地」とも呼べる場所ではないだろうか。
 
 撮影日

 上  2017年  2月19日

 下  2004年 10月24日


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