東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
風神のブナ 
 
幹周  4.16m (2017年4月21日計測      樹高  20m       標高 1170m 
 
 
 このブナが発見されてから、すでにもう十年以上が経過している。見つけたのは私の巨樹仲間のTさんで、かつてこんな凄いブナがあったよ・・・という話だけは聞かされていた。ただ当時は、他の人が調べたエリアになるべく行かないようにしていたために、このブナの存在もすっかり忘れてしまっていた。時は過ぎ、今年に入って何かに導かれるようにして入った森は、偶然にもいつかTさんが話してくれたそのブナの棲み処であった。

 孫惣ブナ1や孫惣ブナ4のように、日原の白ブナは幹周4mを超える大きさであっても、その樹形は基本的にスーッと主幹が伸びてスマートなものである。しかしこの風神のブナは、ご覧の通り地上2mにも満たない位置に横枝が張り、主幹と呼べる部分は5mにも満たない。それは、このブナが育った環境のせいでもあるが、常に風の影響を受けながら生きてきた木の、極限の姿なのかもしれない。私は、このブナに初めて出会った瞬間から、「森の神」と決めてしまった。

 ところで、巨樹の命名権はまず発見者にある。しかしTさんは、これまでこのブナに特別な名前を付けてはいなかった。私は勝手にこのブナを神と決めていたので、仮称として「風神のブナ」と呼ばせてもらっていた。そして先日、山から降りてきたTさんにバッタリ会い、このブナの命名を快く許可してもらうことができた。日原の森に誰よりも精通したTさんが、今までそっと見守っておられたブナであるだけに、これから私もその姿勢を尊重させていただこうと思う。

 もし日原に「巨樹三名木」があるとするならば、倉沢のヒノキと金岱山のミズナラ、そしてこの風神のブナではないかと個人的には思っている。力強い根の張り方、筋張った幹の貫禄、風に舞うように拡げた枝振りは、そのどれをとっても超一級であろう。もちろん白ブナとしては日原最大で、他の4mを超えるブナ達とはまったく雰囲気が違う。日原の自然が数百年を掛けて作り上げた芸術、といっても過言ではないだろう。

                 2009年9月27日  一葉

                
 
 撮影日

 上  200×年  ×月××日

 下  200×年  ×月××日


   日原の巨樹・巨木

   樹種別巨樹・巨木

   ブナの巨樹

   Home 
 
Copylight(C) Ichiyoh 2008-2015.All rights reserved.