東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
赤石尾根のブナ 
 
幹周  3.26m      樹高  26m       標高  1050m 
 
 
 今まで日原の巨樹は、幾度もテレビや雑誌に登場してはいるが、私の知っている範囲ではブナが紹介されたという記憶はなく、もっぱら「倉沢のヒノキ」や「金岱山のミズナラ」、あるいは「日原川とガニ沢出合いのカツラ」が代表的な巨樹としてスポットライトを浴びていたようである。しかし、取材をする側が知らないだけで、実はアプローチも簡単な場所にこの赤石尾根のブナのような巨木があるところに、日原の奥深さがある。

 日原集落から小川谷橋を渡り、長沢谷まで続く日原林道を遡って行くと、多くの巨樹を目にすることができる。代表的なものは、このホームページの「日原地図」に記してあるが、他にもちょっと林道を外れ、森に入るだけでお目にかかれる巨樹も少なくない。そしてその一つに、美しい樹形をしたこのブナがある。

 とにかく均整の取れた美形のブナである。周りに邪魔をする木がないために、悠々と伸ばした枝は力強く広い樹冠を誇っている。障害物がないために、写真を撮るにも非常にありがたく、新緑や紅葉の時期には最も絵になるブナだといえるだろう。その凛々しき立姿には、どこか品格のようなものを感じすにはいられない。

 ブナは、日原においてけして珍しい木ではない。標高1000m前後になれば、どこの登山道を登っていても目にすることができるお馴染みの樹種であろう。ミズナラやカツラほど大きくならないために、巨樹としてのイメージが劣るのは仕方ないが、ブナの巨木ほど見た目のインパクトが強いのもまた事実である。ただ、もし私に巨樹の取材があったとして、この木を紹介するかはどうか話は別としておこう。
 
 撮影日

 上  2000年 11月08日

 下  1999年  5月20日


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