孫惣谷上のカスミザクラ

 やまざくらの中でも、カスミザクラやオオヤマザクラは一般には馴染みの薄い樹種である。平地に育つことはなく、しかも山に行けばこれが「カスミザクラ」という標示板でもない限り、余程の人ではない限り樹種の特定ができるものではないだろう。

 しかし、新緑の中に輝く純白の雪のような花は、どのサクラにもない無垢で淑やかな気品がある。日原の山々では最も目にすることの多いやまざくらの一つで、集落の対岸にある山の斜面にも4月下旬頃にピークを迎える。

 写真のカスミザクラは、孫惣谷林道がなければ本来人の目にふれることもなかった名も無きサクラである。園芸種のような派手さはなく、どこまでも素朴で美しい。その輝きは、見ていると胸が痛くなるような錯覚を憶える。









                  撮影日

              2005年 5月 1日 



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