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鍛冶小屋窪のトチノキ
幹周 5.57m 樹高 26m 標高 1000m
環境省が、2000年に全国で行なった「巨樹・巨木林フォローアップ調査」において、当時奥多摩町は800本以上の巨樹・巨木を申請して日本一の自治体に認定された。それ以前は?というと僅か30数本という淋しさだが、それは単に巨樹を調べる人がほとんどいなかったというだけで、奥多摩町(中でも日原)はもともと巨樹の群生する森が拡がっていた。
この「鍛冶小屋窪のトチノキ」は、その僅か30数本の中に含まれる巨樹の一つで、奥多摩町が「巨樹の里」として紹介する代表的な存在でもあった。今でも幹周こそ「熊宿のトチノキ」には及ばないが、その男性的な樹形や根張りは日原のトチノキの中でも秀逸である。痛みもほとんど見られず、日当たりのよい鍛冶小屋窪右岸の斜面に一際高い梢を伸ばしている。
下の写真をご覧頂きたい。丁度、トチノキの花が満開である。トチノキは、その葉も樹木の中では一二を争うほどに大きいが、花も(花房)もかなり大きいものである。しかしこの樹冠の広い巨樹にかかると、とてもトチノキの花には見えない。まるで、新緑の斜面から湧き上がる白雲のようである。
ところで鍛冶小屋窪には昔ばなしがあり、その名の由来ともなっているようである。しかしこの話はけしてほのぼのとしたものではなく、「殺人事件」も絡んだホラーそのものである。この場に書くことも躊躇してしまうが、そんな悲劇と恐怖の場所に君臨するトチノキは、もしかしたらその一部始終を知っているのかもしれない。

撮影日
上 2001年10月24日
右 2002年 5月28日
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