巨樹・巨木 
 
 オロセのミズナラ
 幹周  5,05m        樹高  26m        標高  1250m
 
 

 最初に私が日原を訪れた当時、奥多摩町はすでに「巨樹と清流の里」というキャッチフレーズで町おこしをしていた。日原はその巨樹の集中する場所とされていて、私などはすでに山中の巨樹は探しつくされていると思ったものである。ところが実情はちょっと違い、見つかった巨樹は集落や林道沿いのものが中心で、多くの山域はまだ手付かずに近かった。

 それからというもの私の巨樹探しが始まるわけだが、幹周りが3mを超えるものは数多くあれど、5mを超える「巨樹」となるとなかなか見つけることができなかった。その後日原に通い詰めるうちに地元の人とも知り合いになり、登山道以外にも山には水源林巡視道なるものが走っている事も知り、だんだんと山の知識が増えていった頃、やっと見つけたのがこの「オロセのミズナラ」である。

 1999年11月末。その水源林巡視道を歩いている時に、スズタケの密生する斜面の上に大きそうな幹が見えた。この時ラッキーだったのは、季節が冬を迎え木々の葉が落ちていたことである。これが葉の生い茂る時期では絶対に見つけることはできなかっただろう。こうして初めて見つけた5m超のこの巨樹が、これ以後私をさらに巨樹探しに夢中にさせたのは言うまでもない。まさに私にとってメモリアルな存在である。

 ところで、オロセ尾根には二本の大きなミズナラの巨樹があり、それぞれ「オロセのミズナラ」と「オロセ尾根のミズナラ」と名付けられている。「オロセ尾根のミズナラ」は孫惣谷林道沿いにあり、巨樹好きの方なら誰にでも目に付くような場所にある。名前が紛らわしいこともあり、混同しやすい二本のミズナラではあるが、やはりそのスケールと環境、巨樹としてのオーラでは「オロセのミズナラ」が一枚も二枚も上手である。
 

 撮影日

 上  2000年  4月04日

 下  2000年  5月30日


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