東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
ハナノキ尾根のヤシャブシ 
 
幹周  3.75m      樹高  20m       標高  900m 
 
 
 ヤシャブシは、漢字で書くと夜叉五倍子となる。名前の意味をウィキペディアから引用すると、「熟した果穂が夜叉にも似ていることから。、また果穂はタンニンを多く含み、五倍子(フシ)の代用(タンニンを多く含有する五倍子は古来、黒色の顔料、お歯黒などに使われてきた)としたためといわれる。」しかし、五倍子(フシ)の意味は分かるが、「夜叉」がいまいち分からない。

そこでさらに夜叉を調べると、古代インド神話に登場する鬼神だそうで、のちに仏教に取り入れられ護法善神の一尊となったという。しかし「夜叉」は、日本では現代でも非道を行うものを形容して使われる言葉で、小さな松ボックリのようなヤシャブシの果穂が、悪鬼「夜叉」に似ているといわれたら、けして良いイメージとは言えない名前の響きであろう。

 ところで、このハナノキ尾根のヤシャブシは、よくぞこれほど大きく成長するまでに樹形を保ち続けたものである。まるで、魚が掛かった竿のように大きく弧を描いた幹を持ち、その梢は根元より下に位置するほどの反り方である。そして陽樹であるヤシャブシが、これほどの巨木になった例は全国的にも珍しい。本来は崩壊地やはげ山に真っ先に姿を現し、日原でも森を切り開いて作られた林道沿いにはよく目にする樹種である。

 しかし、この巨木も単独であればとうに倒伏していたと考えられる。左の写真でお分かりの通り、この木は隣のモミに大きく巨体を預けてしまっている。それは、モミの幹が大きく変形していることからも容易に想像がつき、両者の浅からぬ関係が窺い知れる。ただ、モミにとっては何の徳も無い損な役回りだが、この日原の名木を可能な限り支え続けて欲しいと願うの酷な注文であろうか。
 
 撮影日

 上  2010年 11月27日

 下  2012年 11月27日


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