東京最後の聖域「にっぱら」
 巨樹・巨木
 
人形山尾根のメグスリノキ2
 
幹周  2.08m      樹高  25m       標高  950m 
 
 
 巨樹を探したり、あるいは訪れるために登山道や作業道もない場所を歩くことが多々ある。しかし、何の知識も経験もなしに私はそのような行動を取ることはない。地図で事前に下調べをすることは言うに及ばず、現場に行けば目印になるようなものには細心の注意を払いながら歩を進めることになる。

 この人形山尾根のメグスリノキがある尾根も、地図で見た等高線から緩やかな尾根であることは分かったいた。しかし、やはり初めての場所を歩くのは少なからず緊張感を伴うものである。かつて私は、金岱山のミズナラから小川谷林道へと連なるこの未知のルートをドキドキしながら地図を片手に下山したことがある。

 今でこそこのルートは、私にとって金岱山からのメイン下降ルートになっているが、実は尾根を下るのは登るより迷いやすいものである。初めて道の無い尾根を下る場合、尾根の別れに出会うとしばしそこで地図とにらめっことなる。ここで方向を誤ると、目的の場所に出ないばかりか危険な局面に遭遇する可能性すらあるのだ。一度間違えて下ってしまうと、それに気付いてもう一度元の場所まで体力を振り絞り、登り返さなければならないデメリットもある。

 このようなリスクを恐れながら、その形状を憶えた尾根の一つに人形山尾根がある。幸いにもここにはミズナラの巨木が多く、巨樹・巨木を森の灯台とする私にとってはたくさんの道しるべに恵まれた。このメグスリノキ2もその一つで、ブナに似た美しい樹形が目を引く。すぐそばにあるメグスリノキ1と共に、紅葉の見事なこの尾根のシンボルツリーと呼べるかもしれない。

          2015年5月17日 一葉
 
 撮影日

 上  2008年 11月23日

 下  2008年 11月23日


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